谷亮子もなし得なかった“野獣”松本薫が目指す「ママでも金」 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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谷亮子もなし得なかった“野獣”松本薫が目指す「ママでも金」

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前田大輔,波戸健一AERA
松本薫(まつもと・かおり)/1年10カ月ぶりに復帰した6月の全日本実業団体対抗大会で、試合を終えて笑顔を見せた (c)朝日新聞社

松本薫(まつもと・かおり)/1年10カ月ぶりに復帰した6月の全日本実業団体対抗大会で、試合を終えて笑顔を見せた (c)朝日新聞社

 2020年の東京五輪・パラリンピック開幕まで2年を切った。アスリートたちはリオデジャネイロの悔しさを胸に、きょうも歩み続けている。最高の舞台で、最高の結果を。目指すものは、ただ一つだ。
*  *  *

●卓球 石川佳純
リーダーとして頂点に挑む

 卓球の石川佳純(全農)は円熟期の27歳で2020年を迎える。「(世界最強の)中国との差も、縮まっていると感じる」。「今年最大の目標」として挑んだ5月の世界団体選手権(スウェーデン・ハルムスタード)では主将として日本女子の3大会連続の銀メダル獲得に貢献し、リオ五輪からの成長を実感した。

 予期せぬ事態が起きたのは5月4日の準決勝だ。韓国と北朝鮮が準々決勝で対戦せず、急遽、南北合同チームを組んで日本と対戦することになった。大会期間中の突然の決定に「公平性を損ねる」との声も上がった。

 石川自身も「すごく衝撃を受けた。いきなりベンチが(5席から)10席になったのを聞いたりだとか。『試合だけじゃないの? 変わることは』みたいなところも多くて」と振り返る。それでも「絶対に負けられない」と前を向いた。

 迎えた試合。2番手でコートに立った石川の相手は、2年前のリオ五輪シングルス銅メダルのキム・ソンイだった。ゲームカウント2-2にもつれる接戦になった。

 最終第5ゲームも、10-10のジュース。石川が放った強打を、キムが食らいついて返球。その浮き球が、台の角(エッジ)に入って10-11。会場がどよめいた。「やばいな」。不運な失点でマッチポイントを握られた石川は、思った。だが、ここからスイッチが入った。

 すかさず気持ちを入れ替え、13-12。だが、ここでもエッジボールで13-13。さらに13-14とされた。それでも「絶対に負けられない」。3連続得点で、勝利をもぎとった。自然とほおに涙が伝った。

 絶体絶命のピンチを跳ね返せたのは、リオ五輪の苦い経験があったからだ。シングルスの初戦の3回戦でキムと対戦。終盤に右ふくらはぎがけいれんした影響もあり、3-4で敗れた。

「リオの時と同じじゃだめだと思って、自分を信じた」


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