だが、時代は変わった。長時間労働は仕事の効率を著しく下げ、健康に害をもたらす。こうした弊害がより強く意識されるようになった。「モーレツ企業戦士」の象徴とされた商社でも、人手不足の顕在化も相まって、労働時間の短縮や、社員の志向や状況に応じた多様な働き方を実現する方向に動きだした。

 住友商事でテレワークを体験した姉崎さんは、業務の効率化を強調する。

「いつ、何をやるかを宣言してしまっている以上、しっかり結果を出さないと『サボりました』と宣言してしまうようなもの。時間内でしっかりと成果を出せるように、効率化も意識するようになりました」

(編集部・川口穣、野村昌二)

AERA 2018年7月23日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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