原教授と国際教育学科の学生。都留文科大学は山梨県都留市が運営する公立大学だが、関東圏出身の学生はもちろん、全国から入学希望者が集まる(撮影/山本倫子)
原教授と国際教育学科の学生。都留文科大学は山梨県都留市が運営する公立大学だが、関東圏出身の学生はもちろん、全国から入学希望者が集まる(撮影/山本倫子)

「定員厳格化」の影響で、今年から私立大学への入学が難しくなっている。しかし、魅力的なのは有名私立ばかりではない。地方には魅力的なカリキュラムをもった大学もあるのだ。

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「国際バカロレア(International Baccalaureate=IB)」という言葉をご存じだろうか。親の海外転勤などで国境を越えて学ばなければいけない子どものための教育プログラムだ。

 日本から米国、米国からフランス、と国を移動しても、世界共通のカリキュラムで学べる。どこの国へ行っても通用する教育プログラムといえばイメージしやすい。

 IBが認める教育認定証を取れるのが、都留文科大学(山梨県都留市)の国際教育学科だ。文系学部としては日本で初めて。同学科の原和久教授によると、

「理系では岡山理科大学、大学院では玉川大学と筑波大学ぐらいでしょうか。IBの教員認定証が取れる大学は少ない。IBは、流行のアクティブラーニング(受け身の授業ではなく、子どもが能動的に学べる学習法)を取り入れているので、IB認定校でなくても生かせますよ」

 国際教育学科のもう一つの特徴は、北欧に強いこと。学生全員が、2年生から半年間、提携校に留学するのだが、選べる国はデンマーク、フィンランド、スウェーデンの3択である。

「国際教育学科を創設した福田誠治学長が、北欧に造詣が深いのです。北欧はアクティブラーニングも盛んで、留学時には現地の学校で教育実習も行います」

 1年次から、大半の授業が英語。授業もハード。同大で宿題が多いと評判(?)のスウェーデン人講師、ノルドストロム・ヨハンさんに宿題の量を聞いた。

「毎週、海外の映画を字幕なしで1本見て、手書きの感想文を英語で約500文字、書いてもらいます。また英語文献を1章分(数十ページ)読んで、こちらも感想文ですね。でもウチの学生たちは明るい! 授業、楽しい!」

(編集部・中島晶子)

AERA 2018年4月23日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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