難関化する私大対策はセンターが鍵 受験のプロが教える併願テク (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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難関化する私大対策はセンターが鍵 受験のプロが教える併願テク

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安住拓哉AERA#大学入試
駿台予備学校の授業風景。東大や医学部に強い駿台でも、今春、私立大文系コースを拡充した。当面、この人気は続きそうだ(撮影/MIKIKO)

駿台予備学校の授業風景。東大や医学部に強い駿台でも、今春、私立大文系コースを拡充した。当面、この人気は続きそうだ(撮影/MIKIKO)

湧井宣行(わくい・のぶゆき)/1987年、駿台予備学校に入社。校舎責任者を歴任後、東日本教務部部長(高卒生統括)。この道30年の(撮影/写真部・小原雄輝)

湧井宣行(わくい・のぶゆき)/1987年、駿台予備学校に入社。校舎責任者を歴任後、東日本教務部部長(高卒生統括)。この道30年の(撮影/写真部・小原雄輝)

 有名ブランド私立か地方の国公立か。二兎を追う方法として活用したいのがセンター入試を使った併願。受験のプロが語る人気大学の変遷と合格テクニックとは?

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 私大の文系に人気が集まるのは、景気が上向き始めたときだという。経済がよくなると、大手企業も採用を強烈に増やすし、逆の場合はリストラを加速させる。ここ数年、本当に景気がよくなったのかは実感しづらいが、私大の人気が高まっているのは好景気の雰囲気が感じられるからだろう。

「今年の浪人生クラスでは私立大文系コースの希望者が2、3割も増え、いち早く定員オーバーになった校舎もあります。例年であれば、東大理系、難関国立大理系といったコースが先に埋まるものですが、私立大文系コースの盛り上がりが際立っている状況です」

 と語るのは駿台予備学校東日本教務部部長の湧井宣行さん。私大人気の高まりを受け、早速、今春からはコースを拡充させた。

「もともと駿台には、スーパー早慶上智大文系やハイレベル私立大文系といったコースがありましたが、今年からは授業が受けられる設置校舎を増やしました。私立大が行っているセンター試験利用入試の対策を行うオプションコースの新設も目玉のひとつです」

 気になる学費は入学金10万円を加えた年間授業料が約80万円と、20年近く前からそれほど変わっていない。個別指導をプラスすると年間100万円以上の授業料になるが、少子化にもかかわらず人気大学の難易度が上昇していることを考えると、致し方ないだろう。合格のための必要経費である。

 一方、衛星放送を活用した映像授業をいち早く取り入れ、業界最大手に君臨しているのが東進ハイスクールである。この予備校の現代文・古文のカリスマ講師として有名な板野博行さんは、景気動向に翻弄される受験生の悲哀を長年、目の当たりにしてきた。

「私が予備校教師を始めた1990年代前半といえば、団塊ジュニア世代が18歳を迎えた『ゴールデンセブン』(86~92年)の絶頂期でした。当時は大学進学希望者が110万~120万人もいるのに、受け入れる大学の定員枠が約70万人で、残りの40万人は浪人せざるをえない時代。今なら早慶上智に合格できる生徒でも、現役では2ランク下の大学にしか合格できず、浪人してやっとMARCHに入学できるほど、私大の難易度が高かった」

 しかし、出生数の減少や不景気もあり、2000年代後半には難関私大の偏差値が軒並み急降下する受難の時代が訪れる。名前だけ書けば誰でも入れる私大が「エフラン(Fランク)」と呼ばれるようになったのもこの頃である。


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