数多くの種類がある保険商品。必要な保障に絞ってムダなく加入するにはどうしたらよいか。


「すべてのリスクに保険で備える必要はありません。万一の場合は、公的年金や健康保険からもある程度の保障が受けられるので、まずは利用できる公的な制度を確認しましょう」

 たとえば、死亡に対しては一定条件を満たした遺族に厚生年金や国民年金から「遺族年金」が支払われる。健康保険は、入院などで医療費が一定額を超えた場合でも月額9万円(一般的な収入の場合)程度に抑えられる「高額療養費制度」を利用できる。病気で仕事を休んだ際には、給料の3分の2程度が給付される「傷病手当金」の制度もある。公的制度で足りない分は、貯蓄などの資産で補い、それでも不足しそうなら民間の保険商品で備えるのがよいという。

 ちなみに、保険は加入者同士の助け合いのしくみとはいえ、タダで提供されているわけではない。支払う保険料は万一の際に支払われる保険金の原資となる「純保険料」に加え、保険会社の人件費や経費となる「付加保険料」で構成されている。貯蓄性の高い保険であっても、コストを支払っていることは覚えておく必要があるだろう。(ライター・森田悦子)

AERA 2018年4月9日号より抜粋