保険にムダなく加入するには?(※写真はイメージ)
保険にムダなく加入するには?(※写真はイメージ)

 保険会社の競争が激しくなって、新商品が続々と登場する。 日常のリスクを洗い直し、必要な保険は何か、再度考えよう。

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 ここで改めて、保険についての基礎知識をおさらいしておこう。ファイナンシャルプランナー(FP)の風呂内亜矢(ふろうちあや)さんは、保険のしくみをこう解説する。

「起こるか起こらないかはわからないけれど、起きたら大変というリスクに対して金銭的に備えるのが保険です。多くの人からお金を集め、リスクが現実化した人に配分する助け合いのしくみです」

 保険はカバーする対象によって、3種類に大別される。死亡に備える「生命保険」、事故や災害などに備える「損害保険」、そして入院やがんなどの病気に備える「医療保険」だ。生命保険は第1分野と呼ばれ、生命保険会社が担う。第2分野と呼ばれる損害保険は、損保会社が担っている。これに対し、第3分野である医療保険は生保も損保も扱ってよいことになっている。

 生命保険や医療保険は、保障する期間によって「定期」と「終身」に分けられる。定期保険は一定期間に限られ、満期が来たら必要に応じて更新する。保険料はかけ捨てで、少ない保険料で大きな保障を得ることができる。ただし、被保険者の年齢が高いほど保険料は高く、更新時には保険料が上がることが多い。

 一方、終身保険はその名の通り一生涯の保障を得る保険で、加入時の保険料は何歳になっても上がらないのが一般的だ。

 同じ生命保険でも、かけ捨ての定期保険は少ない保険料で大きな保障を得られるのに対し、終身保険はかけ捨てにはならない商品も多いが、その分保険料も高く、万一の際の保障金額も小さくなる。入院や通院を保障する医療保険の場合、一生涯保障が続く終身タイプでも保険料はかけ捨てとなるものが多く、病気にならなければ払った保険料は返ってこないのが一般的だ。

 保険の本来の目的は万一の事態に対する備えだが、実質的には貯蓄が目的となる商品も多い。なかには備えなのか貯蓄なのかがはっきりしないまま加入している例も少なくないという。
「貯蓄性の高い保険商品としては、生命保険の一種である終身死亡保険や学資保険、養老保険などがあります。死亡時には保障が上乗せされますが、定期保険のように大きな保障は得られないので、保障が主目的であれば不向きです」(風呂内さん、以下同)

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