「最終的にかなり私が手直ししたところもありますが、下書き程度なら問題ないし、学生が主体的に作業を進められるのが大きな変化です」(三浦さん)

 科学論文では、誰がやっても同じ実験結果が得られるように、わかりやすく書くことが重要。美しく情緒ある文章などは必要ない。例えば実験の手順を示す箇所を抜粋するとこうなる。

≪有機層を無水MgSO4 で乾燥およびろ過をした。その後、減圧濃縮し、1h真空乾燥で精製した。≫

 こうした単純な構成の文章は、グーグル翻訳にはお手のもの。ほんの少し手直しをするだけで、使える英文が整った。

≪The organic layer wasdried with anhydrous MgSO4 and filtered. After that, it was concentrated under reduced pressure and purified by vacuum drying for 1h.≫
「糖鎖高分子(glycopolymers)などの専門的な科学用語は、グーグル翻訳は訳してくれなかったので、初めから英語で入力しました」

 と城野さんはチーム作業を振り返る。

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