*  *   *


A:私は、地方創生に携わるコンサルタントには三つの要素が不可欠だと思うんです。専門性と地域性と継続性です。専門性は言うまでもありませんが、地域に精通していなければ、とても地域活性化のコンサルティングなどできません。

C:地域のことがわかっていない専門家が、「くまモンのようなゆるキャラを作りましょう」とか、「面白いPR動画を作りましょう」とか、他県の成功事例を押し付ける。成功事例の導入なら、自治体職員としても、上司や地元議会を説得しやすい。それで、全国津々浦々で同じことをやってしまい、結局、地方のよさは埋もれるという悪循環を生んでいる……。

A:そうなんです。地方のことを知らずに仕事をされるから、単発で終わっても気にしない。たとえば、近年は“自虐PR動画”が流行(はや)ってますよね? 埼玉県川口市は「ほぼ東京」とか「治安だって言うほど悪くない」とアピールする動画を作ったりしましたが、自虐動画は瞬間的に話題になるだけです。その土地を知ってもらうという効果はある、と言えるかもしれませんが、すでにその土地に住まわれている人の反応は正直悪い。一般に「シビックプライド」と言いますが、地元愛・郷土愛などを傷つける負の効果をもたらしかねない。名前を売るために地元の活力を失っては元も子もありません。その点、Cさんの専門家紹介サービスは、地域性もあって持続性も担保できる可能性がある点で興味深い。

次のページ