「家賃保証」の嘘で借金1億 年収800万のリーマン大家、破産の危機

2018/02/08 16:00

オーナーとスマートデイズ社とのシェアハウスの賃貸契約書。業者が一括で借り上げる「サブリース」を30年続けると記されている(撮影/朝日新聞記者・藤田知也)
オーナーとスマートデイズ社とのシェアハウスの賃貸契約書。業者が一括で借り上げる「サブリース」を30年続けると記されている(撮影/朝日新聞記者・藤田知也)
シェアハウス投資をめぐるトラブルの構図(AERA 2018年2月12号より)
シェアハウス投資をめぐるトラブルの構図(AERA 2018年2月12号より)

「シンデレラは夢をかなえるために馬車に乗った」

 不倫騒動から復帰したベッキー(33)がそう語るテレビCMがお茶の間に流れた。昨年春ごろだ。売り込んだのは、スマートデイズ(SD)社が首都圏で展開する女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」。初期費用が安く家具などの準備も不要。身一つで上京したい地方の若い女性がターゲットだが、この“馬車”が今や大揺れだ。

【図で見る】シェアハウス投資をめぐるトラブルの構図

 1月下旬、東京・飯田橋の貸し会議室で開かれたSD社の説明会。「かぼちゃの馬車」の多くはSD社が長期の家賃を保証し、会社員らに投資させているが、SD社の菅沢聡社長が死刑宣告をするように言い渡した。

「もうお金がない。今月末の分は払えません。来月、再来月もどうなるかわかりません」

 同社が4割前後しかない入居率を高く偽り、職業紹介などの事業外収入が潤沢なように見せかけていたことも告白。出席者はどよめき、「もう破産するしかない」「もって数カ月だ」と悲痛な声も飛び交った。

 菅沢社長も実態をよく知らずにSD社に出資し、再建を狙って1月12日付で社長を引き受けた身だという。民泊や法人利用で借りてくれる企業を見つけると説明したが、保証した家賃は大幅に下げざるを得ないとも付け加えた。SD社は約900棟のシェアハウスを賃貸・管理。建築中か更地の状態が他に100ほどある。大家は約700人いて、9割以上が銀行でお金を借りた。融資元はスルガ銀行が大半で、SD社は昨秋に「スルガ銀 金利引き下げの手続き」という文書まで配布している。

「何か手を打たないと数カ月で貯金が底をつく」

 ある40代の男性会社員は、SD社の説明会後にそう嘆いた。上場企業に勤め、年収は約800万円。ローンを組ませるには格好のターゲットだ。

 男性は投資セミナーで勧められた「かぼちゃ話」にのってしまい、頭金も初期費用もゼロで1億円規模の物件を購入。スルガ銀で全額融資を受け、SD社から月60万円の家賃をもらい、スルガ銀に45万円を返す計画だったが、建物が完成して1年もしないうちに破綻した。十数室あるシェアハウスには、数人の入居者しかいないという。

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