稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年、愛知県生まれ。元朝日新聞記者。著書に『魂の退社』(東洋経済新報社)など。電気代月150円生活がもたらした革命を記した魂の新刊『寂しい生活』(同)も刊行
買った泥ネギが美味しかったので植木鉢に根っこを埋めたら噂通り青ネギがスクスク!(写真:本人提供)
買った泥ネギが美味しかったので植木鉢に根っこを埋めたら噂通り青ネギがスクスク!(写真:本人提供)

 元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【稲垣さんが育てている青ネギの写真はこちら】

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 天候不順で野菜の値段が上がっています。SNSでも「白菜がなんと600円!」など悲鳴のごとき投稿が躍る。一度の買い物の合計金額が数百円レベルという筋金入りのケチで粗食のアフロも、大根250円の値札を見て伸びた手が思わず引っこみました。

 だがしかし。ふと「待てよ」と思ったのです。

 確かに大根250円は想定をはるかに超えていた。でも元の値段を考えたら、冬の大根って立派な葉付きのデカイ奴が150円前後だったりします。高いといってもその差は100円。コンビニで飲み物やお菓子を買ったら何げに飛んでいく金額です。

 つまり、もともと旬の野菜って激安。だって大根1本1人で食べきろうと思ったら、大根おろしとか、ふろふき大根とか、煮物とか、葉の炒め物とか、サラダとか、いろいろ作りまくって1週間はかかります。250円としても1日にしたら40円以下。通常の150円なら1日20円台。もうほぼ無料レベル。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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