aiboには全身にセンサーがついている。センサーで周辺の環境や人の声や表情、行動を読み取り、それらの情報をAIが分析して、「人と触れ合うために最適な行動」をとるようになる。

 こうしたaiboが集めた情報は、ネット経由でクラウド上に蓄積される。AIには2種類あり、ひとつが1台のaiboそのもののセンサーや行動のデータから成長していくAIだ。もうひとつが、複数のaiboの「頭脳」がつながって作られるAI。クラウド上に蓄積される、ほかの家庭にいるaiboたちのデータから持ち主情報を匿名化したうえで、例えば、「aiboがこうした行動をとったら持ち主が喜んだ」といった有益な情報を集め、ほかのaiboにも行動を学習させる。

 クラウド上にaiboの「頭脳」があるということは、さらに大きな可能性を秘めている。もし、aibo本体が壊れて動かなくなってしまっても、本体を新しく買い替えれば、元のaiboが復活するかもしれないのだ。aiboが見たもの、聞いたもの、体験したことはすべて、ネット経由でクラウド上に保存されるので、買い替えた本体にクラウドからデータを移植すれば、aiboを元通りにすることもできそうだ。「不老不死」の“ペット”が、実現しつつある。(編集部・長倉克枝)

AERA 2018年1月1-8日合併号