「『スター・ウォーズ』シリーズが大きくなりすぎたのかな。熱狂的なファンが大勢いるだろう? ファンを怒らせたりがっかりさせたりしたくなかった。そんな僕をオビ=ワン・ケノービのように見守ってくれる存在が監督のライアンだった。全幅の信頼を寄せて演技したよ」

 公開前はストーリーが明かされず、内容に関する質問はNG。ハミルが語ったのも、

「誰もがこのシリーズに望むアドベンチャーやスリル、ロマンス、ユーモアが全部詰まっていると思う。ただルークの話は、とことんダーク(笑)。色鮮やかで感情の振り幅の広いレイのストーリーとのコントラストが鮮明になるから、作品的にはバランスが取れているけれど」

 というところまでだ。戦士やパイロットなど、かつてルークが担っていた躍動的で魅力的なキャラクターは、本作には多数いると指摘し、こうも言う。

「もう僕は主役じゃないから。かつての自分のおもちゃ箱にたくさん子どもが群がって、おもちゃを取り出して遊んでいるのを見ている感じ。世代交代は当たり前だもの。僕は仕事があるだけでラッキーさ」

 主役の座を明け渡しても、多くの人をハッピーにできる作品に再び関われて幸せだったとハミル。このシリーズがなぜこれほど愛され続けるのかという問いには、こんな分析を披露した。

「『遠い昔、はるか彼方の銀河系で』という出だしは、誰もが小さい頃に読んだ『昔々』で始まるおとぎ話に近い。現実がベースにあって未来を投影するサイエンスフィクションというより、ファンタジー作品になっているところもいい。だから、好きなことが何でもできる。『ズボンを穿いてない二本足で歩く犬がヘッドホンをつけて宇宙船を操縦する』のも許されるんだ」

 このシリーズは「オズの魔法使い」に近いとも話す。

「竜巻でドロシーが魔法の国に運ばれたように、ルークも砂漠から未知の世界へと連れて行かれるわけだから」

 善と悪がわかりやすく描かれていることや、随所にクスッと笑える場面がちりばめられていることもこのシリーズの魅力。

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