「アメリカにもパンクが必要だ」新作映画に込めた願い ジョン・キャメロン・ミッチェル監督が語る

中村千晶AERA
映画「パーティで女の子に話しかけるには」は、12月1日から東京・新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開中 (c)COLONY FILMS LIMITED 2016
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映画「パーティで女の子に話しかけるに...

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」で一躍カリスマとなったジョン・キャメロン・ミッチェル監督。新作映画のテーマは、え? パンクと宇宙人!? 本人に詳しく聞いた。

【映画「パーティで女の子に話しかけるには」のワンシーンはこちら】

 映画「パーティで女の子に話しかけるには」の舞台は1977年のロンドン。パンクに熱狂する内気な少年が謎の美少女ザン(エル・ファニング)に恋をする。しかしザンは宇宙人で地球人との接触を禁じられていた。

「ザンの仲間の宇宙人たちはアウトサイダーからの影響を非常に恐れています。『何かが感染するのではないか? 危険だ!』と。でもそのせいで自分たちの種が死に絶えようともしている」

 異質なものを恐れ、排除し、分断する。宇宙人ザンと少年の切ないラブストーリーは現実社会のメタファーのようでもある。

「まさにそう。いま多くの国々が国粋主義、排他主義的になっていて、特にアメリカやイギリスは不健康な状況だと感じます。『自分たちと同じじゃないものは、全員外に出ろ!』って」

 そんなときこそ“パンク”が必要だ、とジョン・キャメロン・ミッチェル監督は言う。

「パンクとは自由であり喜びであり、新しいアイデアやエネルギーをもたらすものです。権威に対して健康的な形で挑戦を突きつけるものでもある。僕は米国民としてトランプ政権下のアメリカにもパンクが必要だと強く思っています。実はいま母の具合がよくなくて、でも国民皆保険がないせいで費用が莫大になってしまうんです」

 それでも希望は持っている。

「多くの人は互いに仲良くしたいと思っています。優しい心やユーモアを持つこと、多様性の大切さを、僕は創作を通じて自分なりに伝えていきたい」

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