またIoT機器は被害にあっても、いつも通り動作することもあり、持ち主が気がつきにくいのがやっかいだ。

 街中に設置されているカメラなども、実はああ見えて、ハッカーの子分になってサイバー攻撃を仕掛けている最中かも。またパスワードが出荷時のままになっているカメラを狙って、勝手に映像を公開するサイトもあるので、注意されたし。

 というわけで説明が長くなったが、「ハッキングフリー」を目指すなら、カメラに映らないのが一番。でもカメラが小型化して、かわして歩くなんて芸当も無理に決まってる。そこで妙案。帽子にメガネ、そしてマスクを着用して、アナログ変装で立ち向かうことにした。

 指名手配犯か、密会芸能人か。そんなイデタチだが、とりあえずカメラで映像を撮られても、顔認証で個人を特定される可能性は、ほんの少しだけ低くなったと思う。

 そうして区立図書館へ向かったが、図書館よ、お前もか。検索用のパソコンを使わないと、本一冊、探せない。「図書目録」という言葉が思い出せず、ポケットのスマホを探すが、そうだ。家だ。

「カードが小さな引き出しに入っていて、カードで本を探せるあれ、どこですか?」

 カウンターで尋ねると「かなり昔に撤去しました」とのお答え。マスク越しなので声もデカいし、質問はトンチンカン。かえって目立ってるってば。(ライター・福光恵)

AERA 2017年12月11日号より抜粋

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