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清宮と日本ハム 双方“100点満点”ドラフトの不思議な縁

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柳川悠二AERA

7球団からドラフト1位指名され、記者会見で笑顔を見せる清宮 (c)朝日新聞社

7球団からドラフト1位指名され、記者会見で笑顔を見せる清宮 (c)朝日新聞社

 7球団が争奪戦を繰り広げた清宮幸太郎(早稲田実)の“就職”先は、北海道日本ハムに決まった。

 全12球団の1位指名が決まってから早実・小室哲哉記念ホールに現れた清宮幸太郎は、日本ハムの印象を次のように語った。

「本当にすごく良いチームというイメージ。栗山(英樹)監督は采配もサプライズが多く、枠にとらわれないところが好き」

 日本ハムは、その年の一番良い選手を指名するというドラフト戦略を貫く。9月にカナダで行われたU-18ワールドカップを視察に訪れていた同球団の大渕隆スカウトディレクターは、清宮のボールを“とらえる”技術を何より評価していた。

「あれだけの本塁打(111本)を打った事実が彼の実力を物語っている。力では安田(尚憲、履正社)選手のほうが上ですが、清宮選手の場合は、身体の体積を効率よく打球の飛距離につなげられている。それには投手が投げるあらゆるボールを的確にとらえる技術が大事で、誰より長けていると思います」

 そしてこう続けた。

「彼の歩みは実にマンガ的。プロ野球の球団としてこれほど魅力のある選手はいない」

 一方、カナダから帰国した直後に、プロ表明会見を開いた際、清宮の口からは「12球団OK」の言葉が聞かれなかった。ドラフトの前に面談を行って各球団の意向を聞きたいと打ち明けた。

 それはつまり、意にそぐわない球団であれば、入団を拒否する構えであることをにおわせたのだ。面談には10球団が訪れたが、地元選手である中村奨成(広陵)の指名を決めた広島と、日本ハムは足を運ばなかった。

 2012年のドラフトで、日本ハムはメジャー挑戦を決めていた大谷翔平を強行指名した。日本ハム入団がいかにメジャーで成功するための近道であるかを記した資料「夢への道しるべ」を持参し、翻意を促した。

「獲れる選手ではなく、獲りたい選手を獲りにいく」スタンスで獲得してきたダルビッシュ有や大谷といった怪物級の高校生を期待値以上に育成してきた実績──周知のことをわざわざ伝えるまでもないと判断したからこそ面談を見送ったのではないだろうか。


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