使う時期が明確に決まっているお金に加え、なんらかの理由でお金が必要になったときに備える生活防衛資金として、生活費の半年分程度を貯蓄で用意しておきたい。
しかし、「待てないお金」をひたすら貯蓄していたら、いつまでたっても投資できないという人もいるだろう。こうした場合は、家計にあまり負担にならない金額で積み立て投資を並行させてもよいという。
「投資への抵抗感が強い人も、まずは月3千円程度から始めるのがおすすめ。続けられそうだと思ったら金額を増やせばいいのです」(横山さん)
ネット証券の多くは1千円から、中には100円から積み立て投資できるところもあるので、少額からでも投資は十分可能だ。
●バランス型なら1本で
この場合、どんな金融商品を選べばよいだろうか。横山さんは1本で世界分散投資ができるバランス型のインデックス投資信託を勧める。たとえば、「世界経済インデックスファンド」や「eMAXIS バランス(8資産均等型)」などがある。
「とにかく始めることが大事なので、ハードルがなるべく低いほうがいい。国内外の株や債券などに分散投資するバランス型で始め、投資に慣れてきたら、株価指数などに連動するインデックス型を自分で組み合わせてみるとよいでしょう」
リスクを抑えるには、日本株、世界株、日本債券、世界債券という基本の4資産に分散投資するのが鉄則。少子高齢化で経済が縮小しかねない日本に偏重するのは、むしろリスクを高めるからだ。さらに分散効果を高めるなら、新興国やREITなどに対象を広げよう。コストの安さを最大限追求するなら、それぞれ単独の投資信託を組み合わせるのが有利ではあるが、1本でバランス良く分散し、コストも良心的な投資信託も数多く登場している。
18年からスタートする「つみたてNISA」では、初心者でも安心して投資できるよう、対象となる投資信託商品を限定している。販売手数料が無料で保有中のコストとなる信託報酬が安く、20年以上積み立てを続けられる商品が厳選されているので、「つみたてNISA」の対象商品の中から選ぶのもいいだろう。