AERA dot. 5th anniversary

元満映社員(97)が語る満鉄物語 「自殺した甘粕さんは卑怯」

このエントリーをはてなブックマークに追加
野村昌二AERA#鉄道

岸富美子(きし・ふみこ)満映(満州映画協会)に勤め、戦後は、中国人スタッフへの編集技術伝授にも尽力し、53年に帰国後は独立プロ作品などで活躍した(撮影/編集部・野村昌二

岸富美子(きし・ふみこ)満映(満州映画協会)に勤め、戦後は、中国人スタッフへの編集技術伝授にも尽力し、53年に帰国後は独立プロ作品などで活躍した(撮影/編集部・野村昌二

「女性は身だしなみを整え男性は刃物を帯同し、夜11時までに会社に集合するように」

 私は婚約中だった夫と急遽、社宅で三三九度を交わすだけの結婚式を済ませると、撮影所に向かいます。死ぬことを覚悟していました。

 ところが、ソ連軍は姿を現さず、甘粕さんだけ終戦直後に青酸カリを飲んで自殺します。理事長なら最後まで残って社員を守らないといけないのに、自分だけ先に死んじゃった。甘粕さんだけ楽になるのは卑怯です。その後、1千人を超える満映社員と家族たちは帰国まで大変苦労します。社員は見捨てられ、日本に引き揚げたのは53年です。これまで10回近く現地に行き、昨年も娘たちと一緒に訪れました。また行きたいです。

(編集部・野村昌二)

AERA 2017年9月18日号


トップにもどる AERA記事一覧

   鉄道 をもっと見る
このエントリーをはてなブックマークに追加