選ぶポイントは、配当利回りとPER(株価収益率)。

「まずは配当利回りが平均以上のものを選び出します。最近だと平均は1.5~1.6%ですが、例えばSBI証券の株主優待銘柄検索画面で条件を指定すれば一発で絞り込めます」(同)

 一方、PERは株価を1株あたり利益で割ったもの。一般的に、この値が低いほど、会社が稼ぎ出す利益に対して株価が割安であることを意味する。日経平均銘柄の場合、平均は14~15倍だが、これも検索画面で「平均以下」をチェック。すると1300を超える優待銘柄の中から約半数に絞り込まれた。

「あとは、どの会社のビジネスに共感できるか。判断ポイントは、社長の話です。雑誌や、私が担当しているラジオNIKKEIの社長インタビューなどで、話に説得力があるかをチェック。難しく考える必要はありません。一社会人として、この人の話は信頼できると思えば買いです」

 というわけで藤本さんの目で選んだおすすめ優待株をまとめた。よく取りあげられるイオンやオリエンタルランドなどのようにメジャーではないが、「時流に乗っている」のが共通項だという。例えばパッケージメーカーの竹本容器は「自社開発の金型が豊富で、提案から生産・販売まで完結できる。『多品種少量』という時代のニーズに応えられるのが強み」。三栄建築設計は「都心部の狭い土地に、100平米超の木造3階建ての家を5千万円くらいで建てるのが得意。デザイン力に定評があり、ニッチだが、需要が底堅い」という見立てだ。

 優待内容はいずれも特産品やクオカード、お米券、クーポン券などごく普通だが、成長すれば大きなキャピタルゲインが期待できる。優待で人気のオリエンタルランドは100株(約75万円相当)で、ディズニーランドやディズニーシーの1デーパスポート1枚(7400円)がもらえるが、例えば藤本さんおすすめのリストにある中本パックスを100株(約30万円相当)買い、その配当金(9840円)でパスポートを買うこともできる。計算すればそのほうがはるかにおトク。オマケにばかり惑わされない優待投資。試してみる価値はありそうだ。

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