贈呈式にて。右から、選考委員を務めた南伸坊さん、授賞した星野源さん、伊丹十三記念館(愛媛県松山市)館長の宮本信子さん
贈呈式にて。右から、選考委員を務めた南伸坊さん、授賞した星野源さん、伊丹十三記念館(愛媛県松山市)館長の宮本信子さん

 俳優・音楽家・文筆家として活躍する星野源さん(36)が第9回伊丹十三賞を受賞し、4月17日(月)、東京・六本木の国際文化会館で贈呈式が行われた。受賞スピーチで星野さんは、「怒りさえも面白いことに変えた伊丹さんはとてもかっこいい」などと十数分にわたって自らの「伊丹十三体験」を語り、伊丹さんの妻・宮本信子さん(72)に「今度デート行きましょうね」と誘われたことで「違う場所だと思っていた伊丹さんとぼくの大陸は海の中でつながっていた」と思ったと話した。

 この賞は、97年に64歳で亡くなった伊丹十三さんが「才能を発揮した分野において、優秀な実績をあげた人(エッセイ、ノンフィクション、翻訳、編集、料理、映画、テレビ番組、CM、俳優、イラストレーション、デザインなど)」に贈られ、第1回受賞者はコピーライターの糸井重里さん(68)。他に、タモリさん(71)、リリー・フランキーさん(53)、是枝裕和さん(54)らが受賞している。

 式では、選考委員を務めたイラストレーターの南伸坊さん(69)が星野さんに「おめでとうございます、そしてありがとうございます。楽しい贈り物をくれる人を私は尊敬します。楽しい贈り物をくれる人に私は感謝します」と祝辞を送った。

■星野源さんの受賞スピーチ全文

 いま、お水を持ってきていただいておりますので、少々お待ちください(笑)。のどがカラカラでございます(笑)。少々お待ちください、もうちょっとお待ちください(笑)。

 こんなにたくさんの人が来ていただけるとは思っていませんで。このたびは本当に素晴らしい、本当にいま、お話を聞いていても、ものすごく、心臓から、胸の内から感動させていただいておりますが、素晴らしい賞をいただきまして本当にありがとうございます。

 僕が小さい頃から、テレビで伊丹さんの映画はよく流れていました。僕がいちばんちっちゃい記憶としては、なぜか、確か「オレたちひょうきん族」か「やまだかつてないテレビ」かどっちかだったと思うんですけど、サックスプレーヤーのMALTAさんが、「マルサの女」のテーマ曲を吹いて、「マルタの女」っていうギャグをやってて、なんてくだらないんだって思ったのが、いちばん小さい伊丹さん関連の記憶です(笑)。

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