遅延型フードアレルギーの検査キット(右)と腸内フローラの検査キット(左)。どちらも自宅で検査ができる(撮影/写真部・小原雄輝)
遅延型フードアレルギーの検査キット(右)と腸内フローラの検査キット(左)。どちらも自宅で検査ができる(撮影/写真部・小原雄輝)

 今日も元気だ、ビールがうまい。だけど気になる腹の肉。「◯◯さんがやせたって」。職場の噂が気にかかる。去年も言った気がするが、正月前に今年も言おう。「来年こそ、やせる!」(きっぱり)。「あなたの肥満はアレルギー?」「満腹中枢を手なずけろ!」「ブル中野さんが60キロやせたワケ」――本気でやせるコツを、AERAが真面目に大特集。

 大して食べていないのに体重が増える。それがアレルギーのせいだとしたら。腸内に原因があったとしたら──。太りやすさを探る最新検査があるという。

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 宮城県に住む男性Aさん(38)が、遅延型フードアレルギー検査を受けたのは、5年前だ。「面倒くさい」と気乗りしなかったが、妻が一緒に受けようと勧めるのでしぶしぶ検査した。数週間後に送られてきた結果は、乳、卵、小麦に、強いアレルギーがあるというものだった。どれも普段食べまくっているものばかり。

「子どもの頃にアトピーで悩まされた経験があったし、食品関連の仕事をしているので、食には敏感なつもりだった。検査に対して疑心暗鬼だったので、何もせずにそれまで通りの食生活を続けました」

●3週間で5キロ体重減

 そのまま数年が経過。風邪を引きやすくなり、30代後半に差しかかりガタがきたのかな、と感じ始めていた頃、友人から一冊の本をもらった。プロテニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチがグルテンフリーの食事法について書いた『ジョコビッチの生まれ変わる食事』。

 以前受けた検査のことを思い出した。自分も小麦にアレルギーがあると出ていたな、と。よし、グルテンフリーをやってみるか。

 初めは、何を食べればいいんだ、と途方に暮れたという。菓子パンなどが大好き。コンビニに行っても、売られているものはほとんど小麦が入っている。しだいにコンビニに行かなくなった。

 家では乾物や魚を中心とした和食に変え、外食は寿司がいいと気づいた。甘いものがほしいときは、アイスの「あずきバー」やようかんを食べる生活になった。我慢が必要だったのは、初めの3、4日。それを過ぎたら、そんなに気にならなくなってきた。

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