絶交解散から7年――オアシスが映画になって帰ってきた!再結成は…?

鈴木あかねAERA
 兄弟ゲンカが昂じた末の絶交解散から7年、イギリスを代表する伝説のロックバンド、オアシスがスクリーンの中でよみがえる。結成から黄金期までを追ったドキュメンタリーがまもなく公開される。

 映画「オアシス:スーパーソニック」は1991年の結成から25万人を動員したイギリス・ネブワースでの伝説の野外ライブまで、黄金期のオアシスを追ったドキュメントだ。

「モノクロ映像ばっかのつまんないロック映画にならなかったのがいいだろ?」

 オアシスの中核、ギャラガー兄弟の弟でヴォーカルのリアムが自画自賛するとおり、音楽映画なのに妙にドラマチックに仕上がっている。誰もが知るヒットナンバーが流れる中、描き出されるのは兄弟の確執、見守る母親、暴力的な父親との関係、失業保険生活など、オアシスを産み落としたシリアスな挿話の数々。合間にファン垂涎のかけ合い漫才のような兄弟のやりとりが挟み込まれる。笑わせ、泣かせ、歌わせる、オアシスというバンドを凝縮した作品なのだ。

●失ってもやり直せる

 作中で頻出するキーワードが「俺たちは公営住宅育ち」と「失業保険」。兄弟の貧しい出自が強調されるのはイギリス社会特有の階級制度のせいばかりではない。彼らが育ったのはかつては「世界の工場」として栄えながらも戦後の製造業衰退で荒廃した都市マンチェスター、その中でも貧しいアイルランド移民の家庭だった。「英国病」とすら言われた80年代当時の失業率は10%を超え、中学卒業の日に失業手当の申請書が配られたという証言も残っている。

 すさんだ環境で、なぜ成り上がれたのか。初期のオアシスを見いだし、レコード契約を結んだクリエイション・レコーズ創設者アラン・マッギーは言う。

「あのやたらと盛り上がる楽曲で労働者階級のキッズたちを一つにしてしまった。それに、兄弟2人ともキャラが立ってて漫才師なみにおもしろい。謙虚にしてるほうがかっこいいと思われていた当時のイギリスで『ビッグになってやる』なんて言ってたのもあいつらだけだった」

 天然でアホな野生児の弟リアムとまっとうで大人な兄ノエルというイメージが定着しているが、意外にも、作中でオアシスの本質を鋭く突くのはリアムだ。

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