海外の食欲抑制剤やゼニカルを個人輸入サイトなどを通して入手する人もいるが、偽物も出回っており、安易な利用は危険を伴うことも肝に銘じておきたい。

 これらの薬に抵抗がある人には、薬局やドラッグストアで入手できるOTC医薬品という選択肢もある。「コッコアポEX錠」(クラシエ薬品)、「ナイシトール」(小林製薬)、「新・ロート防風通聖散錠満量」(ロート製薬)などの主成分である防風通聖散は、脂質の代謝を促し、余分な脂肪を減らす効果がある。

「漢方は効果がマイルドで副作用も少なく、肥満症の方でなくても安心して飲んでいただけます」(クラシエ薬品担当者)
●あくまでサポート役

 肝心の効果はどうなのか。

「弊社で17人の成人女性に服用してもらうテストを行ったところ、3カ月の服用で約65%の人に体重減少がみられ、約35%の人は4キロ以上体重が減ったという結果が出ました」(同)

 ただし、漢方には体質との相性があるため、まずは1週間程度試しに飲んでみるのがオススメだとか。体質に合っていれば便通改善や食欲の抑制といった効果が実感できるという。

「食事の改善や運動を併用すると、より効果が実感しやすくなります」(同)

「やせ薬」であっても、食事制限や運動からは逃れられないのか。前出の細田医師は最後にこうアドバイスする。

「薬はあくまでもダイエットの導入やサポートと考えるべきで、薬だけに頼っていては服用をやめると元に戻ってしまいます。薬の力を借りてドカ食いや大食いの習慣を改め、減った体重を維持できる生活習慣を身につけるのが重要です」(文中カタカナ名は仮名)

(ライター・森田悦子)

AERA 2016年12月26日号