本誌5月30日号掲載「共働きの家事育児100タスク表」。これにトライした夫婦が続出、ツイッターを賑わせている。「私ばっかり」「意外と夫も」など、悲鳴あり懺悔あり……。今回は、子どもが小学生バージョンの新タスク表も掲載。理想の分担はどうすれば実現できるのか。(「共働きの家事育児100タスク表」http://goo.gl/FBff1M)
マーケティング会社に勤める石島小夏さん(32)は、夫婦の家事分担について考えるワークショップを自宅で開いている。6月4日に開いた「家事を描き出して伝えるワークショップ」では、参加した3組の夫婦にこう切り出した。
「大切なのは分担の比率ではなく、生活にはこれだけの作業が必要だということを夫婦がお互いに理解すること。歩み寄りや会話はそこから始まります」
石島さん自身、5年前の結婚当時には圧倒的な差があった夫婦の家事力を、イーブンにまでした経験がある。
夫の純平さん(32)は外資系コンサルティング会社勤務。結婚前2年間は一人暮らしをしていたものの、食事は外食、洗濯はほぼクリーニングで「家事経験値ゼロ」だった。
一方の小夏さんは、母親の闘病中に父親が家事を徐々に覚えていく様子を見て、男性もやればできるようになる、と確信していた。自分に万一のことがあっても家族が生き延びられるよう、結婚直後から夫の家事力向上に乗り出した。
●カッコイイ家事から
まず、家事を発生する場所別に整理した「家事MAP」を作り、生活に必要な作業をすべて洗い出した。「玄関」なら「靴磨き」「靴片付け」「資源ゴミ捨て」といった具合だ。その中で夫が好きになれそうな作業から教え込んでいった。
「肉を焼くとか天ぷらを揚げるとか、なんとなくカッコイイじゃないですか。下ごしらえを私がして、カッコイイところを彼に任せてみたら、楽しくやってくれました」(小夏さん)
そんな「いいところ取り」だった純平さんの家事領域が飛躍的に広がったのは、小夏さんが妊娠してから。つわりや切迫流産で寝込んだため、すべての家事が純平さんにも回ってきた。
「それまで指示されたことはしていましたが、自発的に動いたのは初めて。食器を洗うにも洗剤がないと洗えないから買い足すなど、隠れタスクが見えるようになりました」(純平さん)
家事に主体的に関わるようになったことで、意識も変化した。長女(1)が生まれた後、純平さんは3カ月間の育児休業を取得。洗濯もほぼ一人でできるようになり、布おむつ育児に貢献した。復職後は終電帰りが当たり前だった働き方を見直し、夕食の時間には帰宅。初めは上司の目が気になったが、効率よく時間を使うことで、寝不足で働いていた時よりも良い結果が残せると気づいた。