このような「相手が気づいていないタスク」を洗い出すことも、タスク表の狙い。5月30日号に掲載したタスク表は保育園児がいる家庭の一例を想定したため、それぞれの家庭のタスクと合致しないものもある。ツイッターでは、リアルな追加タスクの提案も挙がった。

「掃除機のフィルターを掃除する」「子どもに箸の使い方を教える」「うんちのついた服を手洗いする」「冷蔵庫に缶飲料を補充する」「空のペットボトルをすすいでフタやラベルを分別して潰して捨てる」「雨の日の送り迎えは、通常とは別扱いにすべき」……。細かいため言語化したり頼んだりしづらいが、ずっと黙々と続けていると、「なぜ相手は気づかないのか」とストレスになりかねない隠れタスクの数々が、日の目を見ることになった。

●「自分の無能さに愕然」

 自営業で兼業主夫のひこさん(ハンドルネーム、38)も、

「細分化したらすぐに千タスクくらいになっちゃいます」

 と言う。子どもは中学1年生の長男(12)を筆頭に2歳まで4人。夫は公務員の妻(39)に比べて時間の融通が利きやすいのだが、

「下の子のオムツを替えている間に上の子がぐずるなんてことはしょっちゅう。2人でやらなければ家は回りません」

 タスク表では妻50%、夫50%になったが、タスクの数と重みを考慮すると、負担感はもっと複雑だ。例えば毎日の買い物は、食費を抑えるため特売品によってメニューを決めるので「どのスーパーで買うかを検討する」も一つのタスクとして成立する。

「それぞれのタスクにかかる時間や負担感が違うので、一概に比率にはできません」

 システムエンジニアの男性ガイさん(ハンドルネーム、34)はブログ(http://www.ikemenmusuko.net)で、自身の17%という結果をさらけ出し、「タスク表をやってみたら自分の無能さに愕然とした」とコメント。タスク表をエクセルに落として編集・集計しやすくしたフォーマットを公開し、

「各家庭でタスクに重みづけをしたり、抜けているタスクを追加していくといい」

 と提案している。

 タスク表を原点に、夫婦はどう変わることができるのだろうか。今回は子どもが小学生の場合のタスク表も公開したので、ぜひ末永くご活用ください。(ライター・宮本さおり、編集部・小林明子)

■共働きの家事育児100タスク表(子ども小学生版)
http://goo.gl/l4roCv

AERA 2016年6月20日号