「これだけ多くの美術館があるのですから、バリエーションを見てほしい。それが、日本の人と日本に旅する人の特権です」

 日本の美術館は西洋の作品がフロアのほとんどを占めていることも珍しくはない。自分の国のアーティストの作品を何千キロも離れた日本で見ることもあるのでは……?

「やはり日本に来たら日本人作家の作品を見たいですよね。ただ、大事なのは日本の作品と海外の作品とのバランス。それも日本の文化です」

 ソフィーさんはいま、続編に向けて再び日本の美術館を訪ね歩いている。(ライター・福光恵)

【つぶやきの多い首都圏美術館はここ!】

 インバウンド・インサイトの人気スポットランキングで美術館部門のダントツ1位は東京・三鷹の「三鷹の森ジブリ美術館」。SNSには、「大人のバス復活」という最新ニュースをいち早く喜ぶ外国語のつぶやきが多数あった。

 続いて多いのが、東京・六本木の国立新美術館と神奈川県箱根町の彫刻の森美術館。現在、国立新美術館で開催中の「MIYAKE ISEEY展:三宅一生の仕事」には、「ミヤケはマジシャンのよう」という中国語のつぶやきも。

 ほかに都内だと、森美術館、根津美術館や三菱一号館美術館なども人気。マニアックなところでは、

「平面的で装飾感が控えめなところが好き」(中国語)

 などとつぶやかれている豊島区の谷守一美術館などが人気になっている。

AERA 2016年6月13日号