「母親は、子育てへの責任からつい子どもに構いすぎて、子どもが自ら学ぶ機会を奪ってしまいがちです」

 柏木さんらの研究によると、仕事を辞めて育児に専念する母親のほうが、働き続ける母親より育児への不安が強い傾向にあるという。

「不安とは、子どもの成長や発達よりも、自分自身の生き方や将来に対するものが強い。働いた体験のある女性が増え、母親としてだけ生きることに不安を感じてしまうのです」

 母親が子どもから離れ、社会と関わったほうが、不安が減り、子どもに優しく接する余裕も生まれるようだ。(アエラ編集部)

AERA  2016年5月30日号より抜粋