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住宅プチバブル、迫りくる「終わりの始まり」 中国株急落の昨夏がピークだった?

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編集部・庄司将晃AERA#住宅
首都圏の新築マンションの平均価格は、平成バブル景気以来の水準に上昇。2020年の東京五輪に向けて建設は続くが、「ピークは過ぎた」との見方が広がっている (c)朝日新聞社

首都圏の新築マンションの平均価格は、平成バブル景気以来の水準に上昇。2020年の東京五輪に向けて建設は続くが、「ピークは過ぎた」との見方が広がっている (c)朝日新聞社

アベノミクスがもたらした不動産「プチバブル」。日本経済全般の停滞が続くなか、ひっそりと終わりを迎えそうだ。(編集部・庄司将晃)

 首都圏の新築マンション価格の相場は昨年、バブル期以来の水準に達した。

 民間調査会社の不動産経済研究所によると、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で昨年売り出された新築マンションの平均価格は5518万円。2012年(4540万円)から3年間で2割強、値上がりした。1990年(6123万円)と91年(5900万円)に次ぎ、調査を始めた73年以降で3番目に高かった。

 株価は上がったものの働き手の賃金は伸び悩み、景気全般は足踏みが続くなかでの局地的な住宅ブーム。原動力の一つが、アジア新興国の富裕層の投資マネーだった。

 主に中国や香港、台湾の顧客に都内のマンションの販売を仲介している不動産会社、ベストワン。田中吉(よし)社長によると、顧客の職業は企業の経営者や役員、株式や不動産への投資で生計を立てる専業投資家が多いという。買い物や観光を兼ね、家族4、5人連れで来日。1日だけ別行動をとり、田中さん自らハンドルを握る営業車で4、5カ所を内見して回る、というパターンが一般的だ。

●投資利回りが低下

 人気が高いのは東京23区内、特にJR山手線の沿線や内側で駅から徒歩数分のワンルームや1Kといった単身者向け物件。部屋の借り手が集まりやすいからだ。案内した顧客のうち、実際に物件を買ってくれるのは5割ほど。「分散投資」の観点から、別々のマンションの計5、6部屋をまとめて1億円ほどで購入する客が目立つ。

 田中さんのもとにはおおむね月20~30組の顧客が訪れていたが、「チャイナ・ショック」と呼ばれた昨年8月の中国市場での株価急落を機に、ぱたっと途絶えた。最近でも、以前の半数くらいにとどまるという。

「確かに世界的な株安の影響もありました。しかし根本的な理由は、人気が高いエリアの物件の価格が上がりすぎ、期待できる投資利回りが低くなってしまったことです」

 投資利回りとは、物件の買値に対して、年間の賃料収入から家主が負担する諸経費を差し引いた「もうけ」がどのくらいの割合になるかを示す。自分や親族が住むためではなく、投資資金の運用先としてマンションを買う人が注目する指標だ。田中さんが扱う物件では、2年ほど前は9~10%の利回りがふつうだったが、最近は5%を切る物件が珍しくない。20年余り後になってようやく元がとれるかとれないか、という水準だ。


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