サムスン電子がCESで発表した「ファミリーハブ冷蔵庫」では、液晶をタッチして食材を注文したり、音楽を流したりもできる(写真:gettyimages) @@写禁
サムスン電子がCESで発表した「ファミリーハブ冷蔵庫」では、液晶をタッチして食材を注文したり、音楽を流したりもできる(写真:gettyimages) @@写禁

 1月6日から9日にかけて、米最大の家電見本市がラスベガスで開かれた。広大なフロアに躍ったのは「スマート」という言葉。あらゆるものが「スマート」だった。

 コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)開幕前日の1月5日、韓国・サムスン電子の記者会見には、約1500人のメディア関係者が集まっていた。舞台上手からしずしずと出てきた2ドア冷蔵庫に「オー」の声。右手扉に21.5インチもの大きなタッチパネルが付いていたからだ。

 まるで大型のスマートフォンが埋め込まれたような形で、天気予報や家族共用の予定表、写真や料理のレシピなどの情報を表示できる。扉の内側にカメラを内蔵、冷蔵庫の中身がスマホで確認できるため、夕食の材料に何が足りないのかがどこにいても分かる。拍手で迎えられたこの「ファミリーハブ冷蔵庫」は、サムスン電子や同じ韓国のLGエレクトロニクスが近年力を入れている「スマート白物家電」の象徴的存在だ。

「スマート」は日本語では「やせている」という意味に使われるが、英語では「頭が切れる」、転じて近年、家電の世界で「インターネットにつながっていて多機能」という意味で使われるようになった。冷蔵庫ばかりではない。CESの会場にはスマートホーム、スマートキッチンのほか、スマートなシャワーや歯ブラシ、ドアノブ、ドアロックまでがずらり。犬の首輪まで「スマート」と喧伝(けんでん)されていた。

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