個室でマシンを使って背中の筋肉を鍛える筆者。トレーナーが個別指導してくれる/RIZAP六本木店(撮影/写真部・堀内慶太郎)
個室でマシンを使って背中の筋肉を鍛える筆者。トレーナーが個別指導してくれる/RIZAP六本木店(撮影/写真部・堀内慶太郎)
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 衝撃的なテレビCMで瞬く間に知名度を上げたRIZAP(ライザップ)。本当にやせるのか。体重約0.1トンの筆者が、1カ月体験して検証した。

 ライザップの方法論は、いたってシンプルだ。コメや麺などといった糖質を制限する一方で、脂肪とともに落ちがちな筋肉量をトレーニングによって維持するというもの。生きているだけで消費する「基礎代謝」を高めることで、太りにくい体をつくる。その過程を、専属のトレーナーがサポートする。

 1カ月間、つきっきりでお世話になったトレーナーは、30歳で同い年の滝口和眞さん。記者との野球経験も共通していて、トレーニングの合間は野球談議で盛り上がった。

 一回50分のトレーニングでは、胸筋や背筋、太ももといった熱量消費が多い「大きな筋肉」を中心に鍛えていく。基本は10回を3セット。1分の休憩が、2秒に感じた。約50キロの重りを持ったスクワット中、「こんなつらいなら、もうやせなくていい」と思う。そんなときに、ゲキが飛ぶ。おそらく滝口さんは、顔を見ている。

 ライザップの特徴は、なんといっても徹底的な食事管理。初回に渡される「テキスト」には、細かく食べていいもの、悪いものが書いてある。コメや麺、パンはもちろんダメ。バナナやリンゴなどの果物もNGで、トマトやにんじんなどの野菜も「少量に」と書かれている。肉や魚は積極的に食べたほうがいいが、たんぱく質や脂質でも取りすぎると脂肪に変わるため、量には気を付けるように指示される。

 食事は毎食、スマホで写真を撮って専用のアプリでトレーナーに送る。このルポを面白くするにはラーメンの写真でも送って怒られたほうがいいかとも思ったが、勇気が出なかった。

 食事は星の数で評価される。五つ星評価の一例は、朝「サバ缶」、昼「ひれステーキ&サラダ」、夜「納豆&こんにゃく」という献立。<お食事すごく良い感じです! この調子で続けていきましょう> と褒められ、心の中でガッツポーズする。

 週2~3回のトレーニングで、体重は99 .4キロから92.3キロに。プロ野球の選手名鑑をめくると、阪神のマートンから、広島の黒田博樹ぐらいの体重になった。筋肉量の低下はわずか500グラム。体脂肪率はマイナス4.6ポイントだった。

AERA 2015年7月20日号より抜粋