「量が多くて飲むのが大変。でも今のところ調子は悪くないよ」とやる気満々。そうか…。

 夕飯の楽しみもないので、帰宅するなりベッドに倒れ込んで1日目を終える。迎えた翌朝、体調が回復したので、編集長と朝食のジュースを飲もうと編集部へ。「コンビニの前を通るのがつらくて、遠回りした」とか、「おなかがすいて満員電車で幽体離脱した」とか、同志ならではのあるある話で盛り上がった。だが…。

「じゃあ、残りがんばろうね」

 そう励ましあって編集部をあとにしたのが、「同志」としての編集長を見た最後になった。

「頭痛がひどくて、薬を飲む前に食べます。1日コースをやったと思って、もう私やめるね」

 編集長からそんな電話があったのは、わずか3時間後のこと。撤退の決断をいち早く下すのがいいリーダーの条件と言われるが、それにしても、はやっ! こうして残り1日半、天敵セロリや孤独感と闘いながら、ようよう、ゴールにたどりついた。体重は編集長も自分も、ほぼ1日1キロずつ減。頑張った分、多く減って当然と思ったが、これはぬか喜び。元同志から、「クレンズ明けは何でもおいしくて食べすぎるよ」との警告があったけど、おかゆなどで胃腸を慣らしたあとは、食欲も絶好調に。3日後には3キロ戻し、挑戦は終了した。

AERA 2015年7月20日号より抜粋