研修の発案や設計に携わったヤフー執行役員ピープル・デベロップメント統括本部長の本間浩輔さんは言う。

「参加者は近々リーダーになりそう、もしくはなりたての人が中心。いままさにリーダーシップのスキルを学ぶ必要がある人たちです。若いうちに学ぶ習慣をつけてほしいという意図もあります」

 研修にはいろいろな仕掛けが用意されている。たとえば初日のランチタイム。参加者たちが案内されたのは食堂ではなく、学校の家庭科室のような部屋だ。「教卓」には野菜などのカレーの材料が用意され、チームごとに、1時間以内で調理から片付けまでを終えるよう指示される。チームワークをする機会を早い段階で与え、参加者の様子をじっくり観察するのだ。

 日本郵便の松村彩さん(29)は、社内公募に応募し、この研修に参加した。理由は、自分の市場価値を知りたかったから。

「この年まで同じ会社で働いてきて、自分のキャリアに満足していますが、うちは普通の民間企業とは少しカルチャーが違うのではないか、と思うこともある。外の世界に積極的に出たいと思ったんです」

AERA 2015年6月29日号より抜粋