「ひとりが本当に親しい関係を築けるのは6人と言われるが、家族以外で三つ以上のコミュニティーとつながれば、健康寿命が伸びる可能性があります」

 心の健康度アップも期待できる。千葉大学の近藤克則教授らが政令指定都市25区と25市町村を対象に趣味サークルへの参加率と自殺率の関連を分析したところ、3年間の自殺率の平均値は、集まりへの参加率が40%超の市区町村は40%未満の地域より明らかに低い。

「従来の対策は『いのちの電話』だったが、趣味やスポーツへ誘導することが有効な策になる可能性もある」(近藤克則教授)

 だが会社べったりの中年世代、とくに男性が新たな人間関係を築くには高いハードルがある。つながるきっかけについて、前出の石川さんはこう勧める。

「今はSNSでつながりやすく、ラッキーな時代です。小中学校時代などの友人関係を再構築するのもいい」

AERA  2015年5月25日号より抜粋