関東版のファミリー層とシングル層を比べると、吉祥寺はファミリー、シングルとも堂々の1位。ほかにも横浜、恵比寿、武蔵小杉、目黒など、おしゃれで生活利便性の高い街は、どれも上位だった。

 ところが、二子玉川はファミリーでは8位だが、シングルでは26位。ファミリーで30位以内に入っている、たまプラーザ、茗荷谷、浦安、豊洲、青山一丁目、青葉台、田園調布、新百合ケ丘の8駅周辺は、シングルの30位圏内に登場しない。つまり「ファミリータウン」なのだ。

 ただ、子育て教育の観点から街を選ぶと、順位ががらりと変わる。二子玉川のある世田谷区は、「子育てタウン BEST20」では20位圏外。1位は千葉県流山市。同県内や東京都東部エリア、東京郊外の自治体が目立つ。「住みたい街」と「子育てしたい街」は違うようだ。なぜか。

 不動産・住宅情報サイト「SUUMO」の池本洋一編集長によると、最近の街選びのキーワードは「等身大の街」という。

「一昔前は、自分の身の丈よりワンランク上の憧れの街を選ぶ傾向がありました。しかし長引く不況で、憧れではなく無理のない年収の範囲内で、通勤時間や行政サービスなどを考慮し、現実的に住める街を選ぶようになったのです」

AERA  2015年4月20日号より抜粋