※イメージ写真
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「親子で映画鑑賞」は意外にハードルが高い。予告が始まった途端、暗さと大音響におびえて泣き出し、「暑い」とグズり、「飽きた」「出たい」とわめく。果てはクライマックスで「ママ、おしっこ~」。こうして、映画館から遠ざかっていく親は多い。

「そんな親子を、どう映画館に呼ぶかが課題でした」と話すのは、イオンエンターテイメントのプロモーション本部長、小金沢剛康さん(37)だ。2014年、「こどもの映画館」シリーズをスタートさせた。

「こどもの映画館」シリーズは、同社が運営する全国80カ所の映画館「イオンシネマ」で子ども向けのオリジナル作品を上映するプロジェクト。場内は通常より明るめ、音量も小さめにして、室温もこまめに調節する。

 上映時間も45分と短く、約15分に1回、内容に即したクイズが登場。子どもを飽きさせない。親子で気軽にトライできるよう、2歳から中学生は500円、高校生以上は1千円と、チケット代も抑えた。
 
 14年1月公開の第1弾「沖縄美(ちゅ)ら海水族館〜海からのメッセージ~」と、9月公開の第2弾「ぼくらは動物探険隊 富士サファリパークで大冒険」で、延べ13万人の観客を動員した。

「順調なスタートだと受け止めています。幼児にターゲットを絞り、それを明確にしたのが功を奏したのだと思います」と小金沢さん。

AERA  2015年2月16日号より抜粋