「五輪を終えてからドン、ドン、ドンと下落する。平均でも4割下がる」

 人気のタワーマンションも深刻な事態が想定されるという。

 首都圏に雨後の竹の子のように増えたタワマンだが、家主の所得減や予想以上の高齢化で、管理費などを払えない居住者が発生する。管理も行き届かなくなり、それが不動産価格に影響する負のサイクルに突入。現行制度では建て替えも簡単ではないため、スラム化する、という「未来予想図」もあるのだ。

 ただ、それは既存の産業や都市の構造、あるいは価値観のままであればの話。働き手が住宅ローンを組める雇用環境、外国人居住者の呼び込み、定年の引き上げなど、政策次第で未来予想図は明るくもなる。しかしそれは、たやすくはない。

AERA  2014年12月1日号より抜粋