東京都心の不動産市場が活況だ。勢いは都下に波及し、首都圏の分譲マンション価格はバブル後で最高値の水準。しかし一方で、恐ろしい「未来予想図」もある。

 不動産価格の動向で気になるのは、2020年に開催される五輪の影響だ。湾岸部など競技施設の建設予定地近くでは、マンション価格の上昇に対する期待もあるだろう。しかし、『日本の地価が3分の1になる!』(光文社)の著者の一人で、麗澤大学の清水千弘教授は、その見方をキッパリ否定する。

「五輪効果は開催地だった北京やロンドンで検証結果が出ていますが、全く影響ありません」

 清水教授がむしろ指摘するのは、働き手である生産年齢人口の減少による影響だ。都内でも高齢化の影響で地価が下落している地域があり、清水教授はこう予測する。

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