中学1年生から街のイギリス人にインタビューする。「学校の歴史が長くて地域にすっかり根付き、受けたイギリス人がやさしくゆっくり答えてくれるなど、理解ある姿勢を見せてくれるのがありがたい」と棟近校長(撮影/ジャーナリスト・多賀幹子)
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中学1年生から街のイギリス人にインタビューする。「学校の歴史が長くて地域にすっかり根付き、受けたイギリス人がやさしくゆっくり答えてくれるなど、理解ある姿勢を見せてくれるのがありがたい」と棟近校長(撮影/ジャーナリスト・多賀幹子)
立教英国学院(撮影/ジャーナリスト・多賀幹子)
立教英国学院(撮影/ジャーナリスト・多賀幹子)

 視野を広げ、海外私立校やボーディングスクールへ、という選択肢もある。イギリスにある学校を実際に訪ね、どんな学園生活を送っているのか見てみた。

 ロンドンのウォータールー駅から急行列車に30分ほど乗り、ギルフォード駅で降りる。田園風景の中をタクシーで20分ほど走って正面ゲートに立つと、東京ドーム23個分の広大なキャンパスが広がる。かつて大領主が所有した敷地に、改装された学舎やスポーツ施設が点在する。

 立教英国学院は1972年、日本最初の私立在外教育施設として設立された。当時増加する日本人駐在員の子弟の教育施設として、小学部19人でスタート。現在は小学部5年生から高等部3年生まで160人ほどが在籍。男女共学の全寮制。キリスト教に基づく教育がなされる。

 高校1年生の今井開斗君(16)は、日本の公立小学校を卒業後、英語に力点を置く中学を望み、この学校へ進んだ。同校のホームページを見て、「まるでハリー・ポッターのような寮生活だ」と、胸が躍った。

「毎週、街のイギリス人にインタビューしますが、実際に英語を聞いて話すのが一番の上達方法と実感します。英字新聞を読む授業では最初は辞書を引くのも時間がかかったけれど、次第に慣れて楽しくなりました」

 同校は、基本的には保護者が海外に在住する子弟が対象だが、現在は親の国籍、居住地は問わない。授業料と寮費をあわせた年間の学費は、2014年度で小学部約318万円、中学部約379万円、高等部約400万円だ。この他に、入学時に入学金と施設費で約115万円を納める。

 英語教育は日本と同じ教育と、ネーティブによる能力別少人数制授業が週4時間ずつ設定されている。さらにアート、音楽などはイギリス人教師が担当。他に現地校への短期留学、年に3回のホームステイなど実践的英語の習得を目指す異文化体験・交流プログラムも充実する。

AERA  2014年11月17日号より抜粋