宮崎駿「天空の城ラピュタ」は小学生の時に考えてた?

2014/10/07 16:00

「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」のブルーレイ・DVD発売記念イベントとして、初の公開対談が実現した。9月23日、東京・汐留のスペースFS汐留にて(撮影/高井正彦)
「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」のブルーレイ・DVD発売記念イベントとして、初の公開対談が実現した。9月23日、東京・汐留のスペースFS汐留にて(撮影/高井正彦)

 スタジオジブリの鈴木敏夫氏と、AKB48のプロデューサーの秋元康氏が対談。鈴木氏が「天空の城ラピュタ」にまつわる秘話も明かした。

*  *  *
鈴木:「天空の城ラピュタ」は、理由があってやらなければいけなくなった。「ナウシカ」の後、実は宮崎さんがもう二度と映画を作りたくない、つらいと言い出した。何がつらいかというと、仲間に言いたくないことを言わないといけない。作品が完成した一方、友人を失ったわけです。

 ところが「ナウシカ」の契約をするときに、監督の地位があまりに低いから、契約でいい条件にしておいたんですよ。それで宮崎さんに大変なお金が転がり込んじゃって。「鈴木さん、どうしよう」と相談された。家も建て替えたいし、俺は車が好きだから車も買いたい。でもそんなことをしたら後ろ指さされる、何かいい案はないかと。

 ちょうど、高畑さんが九州の柳川を舞台に「柳川堀割物語」という地味なドキュメンタリーを作りたがっていた。それで、じゃあその映画に出資したらどうか、1千万~2千万円あれば何とかなる、と言ったんです。そうしたら宮崎さんが飛びついて、宮崎駿の会社である二馬力の制作で、高畑さん監督で作ったんです。しかし映画の半分もできないうちに手にした6千万円を使い切っちゃった(笑)。

秋元:すごい話ですね。

鈴木:宮崎駿はそういうときにとても人間的な人で「どうしよう」と、ほとんど泣きべそをかきましてね。家を抵当に入れるか?やだ、と真剣に考えた。その時、僕が言っちゃったんですけどね…もう1本やりますかと(笑)。そういう時の宮崎さんは実に即断即決の人で、その場で「ラピュタ」の企画を5分で話した。あまりに手際がいいので、「宮さん、それ考えてたんですか?」と聞いたら、小学校のときに考えたと。それでいよいよ「ラピュタ」にもとりかからなければいけなくなる。

 大きなビジョンがあったわけではなく、いきあたりばったりなんです。「柳川」を高畑さんが期間中に予算通りに作っていたら、「ラピュタ」はなかった。

AERA 2014年10月13日号より抜粋

あわせて読みたい

  • 「バルス祭り」以外にも注目ポイント満載!「天空の城ラピュタ」制作裏話

    「バルス祭り」以外にも注目ポイント満載!「天空の城ラピュタ」制作裏話

    BOOKSTAND

    8/2

    出会いは最悪だった!? 鈴木敏夫VS石井朋彦 アニメ界の大物「仕掛け人」師弟が公開トーク

    出会いは最悪だった!? 鈴木敏夫VS石井朋彦 アニメ界の大物「仕掛け人」師弟が公開トーク

    BOOKSTAND

    12/7

  • 高畑勲と宮崎駿、巨匠2人を

    高畑勲と宮崎駿、巨匠2人を"ジブリ色"で支えた女性の存在とは?

    BOOKSTAND

    10/14

    ジブリも参戦で中京圏の観光がアツい! 東京・京都に並ぶ“第三の京”へ

    ジブリも参戦で中京圏の観光がアツい! 東京・京都に並ぶ“第三の京”へ

    AERA

    6/22

  • 30代以上で調査「好きな映画」ランキング1位は?

    30代以上で調査「好きな映画」ランキング1位は?

    週刊朝日

    10/7

別の視点で考える

特集をすべて見る

この人と一緒に考える

コラムをすべて見る

カテゴリから探す