本当に必要なのは「産後の母親学級」? エプロン女医の試み 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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本当に必要なのは「産後の母親学級」? エプロン女医の試み

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AERA#出産と子育て
ひだまりクリニック一見して保育園か幼稚園のようだが、ここはクリニック。この場で知り合い、育児相談をし合うママ友になるケースもよくある(撮影/今村拓馬)

ひだまりクリニック
一見して保育園か幼稚園のようだが、ここはクリニック。この場で知り合い、育児相談をし合うママ友になるケースもよくある(撮影/今村拓馬)

「母親学級」といえば、これから母親になる妊婦さんのためのもの。しかし、産後にも様々な情報は必要になる。そんなニーズに応えた、「産後の母親学級」が登場している。

 東京都杉並区の閑静な住宅街。いつもは静かだが、月曜日は少しだけにぎやかになる。一軒家の居間を診察室にした、ひだまりクリニックに、乳幼児と母親5~10組が集まり、「ひだまりクラス」が開催される。

 初めての発熱、けいれんの見分け方、予防接種の種類、窒息時の緊急対応のほか母乳、離乳食、生活リズム、発達など母親たちの素朴な悩みに対して、院長の佐山圭子医師(小児科)はエプロン姿で答えている。

「妊娠中の母親学級はどこでも開催していますが、本当は“産後の母親学級”こそ必要だと思って、ひだまりクラスを始めました。産後、早いうちに子どもの病気の正しい知識を身に着けていると、その後の安心感がまるで違います」(佐山氏)

 同クリニックは、通常の保険診療を行わず、乳幼児健診と予防接種、育児相談に特化している。いずれも医師―患者間の距離が非常に近いのが特色だ。一般の病院では、一時間20人ほどの予防接種を行うが、ここでは完全予約制で一時間1~2人。母親たちが日ごろ抱える疑問や悩みをじっくり相談できる。

「産後の女性はホルモンバランスが嵐のように乱れ、感情を制御しきれないことがあります。感情の振れ幅が大きく、神経質になりやすく『産後うつ』に陥ることも珍しくありません。子どもができたことで夫婦仲が冷え込む『産後クライシス』に悩む人も多い。女性の体としては当たり前のことなのですが、周囲はお祝いムードいっぱいで相談しにくいのです。そんなお母さんを支えたくて」

 自身も3人の子どもを育てた佐山氏の経験が、クリニックのコンセプトとなっているのだ。

 6カ月の長女の健診や予防接種を受けに来たAさん(38)はこう語る。

「今はネットで手軽に情報を得られるし、杉並区は小児科が多い地域ですが、こんなに医師とじっくり話せる場所はほかにありません。実家の母に相談するように、佐山先生になら何でも話を聞いてもらえます」

AERA  2014年2月10日号より抜粋


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