40代、50代といえば、働き盛り。70代、80代のご老人に比べると、気力も体力も充分にあると誰もが思うことでしょう。

 けれど、この充実しているはずの40代、50代に異変が起きています。

 頑張って働いて買ったマイホームが、人生を不安定にさせている人。3人の子どもを大学まで行かせることがささやかな夢だったのに、一家離散してしまった人。慎ましく暮らし借金などしたことがなかったのに、カードローンにハマってしまった人。取材したのは、どこにでもいそうな人ばかり。それが、ちょっとした歯車の狂いで、奈落の底に突き落とされていく。少し前なら、生活を改善することで取り戻せるだろうと思えるようなことが、破産に直結してしまっているのです。

 いま、働き盛りの40代男性に、「うつ病」が最も多いと言われています。さらに、自己破産の件数も40代が最も多く、自己破産する人の約半数は40代と50代です。

 なぜ、こんなに過酷なのかといえば、40代、50代は、やる気があっても仕事量が多すぎて過重労働になっている人が多く、さらに、住宅ローンや教育ローンの負担に追われて生活の豊かさが味わえない人が多いからです。人によっては、経済的に追い詰められてカードローンに走り、破産に陥ってしまう人もいます。

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