『同棲している彼が、私の気持ちを察してくれません』

『私より年収が2倍以上の彼がデート代を割り勘にします』

『少し注意しただけでトイレにこもる新卒社員がいて困っています』



 こんな「どうにかしたいと思っているけれど、なぜかうまくいかない」という、よくある女子のモヤモヤに解決の糸口を提示するのが、本書「私って、甘えてますか?」の著者、斗比主 閲子(とぴしゅ えつこ)さん。今話題のブロガーです。相談者に感情移入せず、豊富な事例と統計を織り交ぜた解決策を客観的に回答するスタンスを特徴としています。



 インターネット上には『Yahoo!知恵袋』や『発言小町』など数多くのお悩み相談サイトが存在します。しかし回答者の中には、相談者に感情移入しすぎて自分の問題のように答えようとしたり、日常の鬱憤を相談者にぶつけたりする人が多くいる、と斗比主さんは分析ます。そうした相談サイトを利用していると、例えばだらしない夫との関係に悩んでいる妻の相談に対し、無責任に"そんな夫離婚しろ!"や"相談者さん、あなたが悪い"なんて極端な回答が付いている場面を目にしたこともあるのではないでしょうか。



 斗比主さんが人生相談を始めるきっかけになったのは、なんと「普通では出会えない人生相談を読みたくてたまらなかった」からだそう。その為、悩み自体に感情移入することなく、客観的なアドバイスが出来るのだということです。



 例えば、"要領が悪く仕事もあまりできる方ではありません。彼もいないし結婚の予定もありません。私はこの先どうすればいいのでしょうか?"という38歳の女性に対してはこんなアドバイスをしています。



 「まず、彼氏が居ない状況について考えてみましょう。国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査によると、18~34歳未婚者のうち、交際している異性がいないという男性は69.8%、女性では59.1%となっています。この数字をみると、彼氏がいないということはけして少数派ではありません。30-34歳の女性の未婚率も1980年には9.1%だったのに対し、2010年には23.1%と増加傾向にあります」



 「周囲に異性と付き合っている人が多い、結婚している人が多いということに焦りを覚えている人は、あなた以外にもいます。あなたは1人ではないのです」(本書より)



 ただこれは頭でわかっていても、満たされない気持ちもあるかもしれません。そんな時は自分の人生で何をしているときが幸せだったか、楽しかったかを思い出し、紙に書き出して見るといいそう。そうして自分自身のことを確認すると、これまでの自分の人生がそう悲観するものではないのかも、と思えてくるそうです。



 最後に斗比主さんはこんな風に締めくくっています。



 「メーテルリンクの童話に『青い鳥』という話があります。-中略- 私たちもついつい、どこかに幸せがあるのではないかと探してしまいますが、幸せは自分の中にあるものです。周りの幸せが気になっているときは、自分にとって何が幸せだったか、何をしているときが自分を好きでいられるかを考えて、その幸せを大切にすることをオススメします」



 「足るを知る」という言葉のように、今自分が手にしている幸せを感じていたいものですね。