FIFA ワールドカップ 2014ブラジル大会が連日、熱戦を繰り広げています。明日早朝、日本のグループリーグ突破がかかる大事な一戦。絶体絶命のピンチから、奇跡の予選突破となれば日本中がお祭り騒ぎになるのではないでしょうか。



 もちろん勝負事なので、希望通りの結果が出るとは限りません。仮に残念な結果になったとして、日本のみなさん、ザック監督のことは嫌いになっても、イタリア人のことは嫌いにならないでください!



 なお、予防線を張るわけではありませんが、このワールドカップは、母国の勝敗だけに一喜一憂するような大会ではないはずです(震え声で)。ええ、サッカーそのものを楽しめばいいじゃないですか(涙を拭いて)



 書籍『こう観ればサッカーは0-0でも面白い』は、元日本代表で2度のワールドカップに出場し、「黄金期」といわれたジュビロ磐田で3度のJリーグ制覇を支えた解説者の福西崇史さんによるサッカー解説本。「"0-0でも面白い"ってあのギリシャ戦見た後でも言えるのか」と福西さんに小一時間ほど問い詰めたいという方もいらっしゃるかもしれませんが、そこは自重してください。



 さて、同書の中で、福西さんはサッカー解説者としてどこに注目して観ているのかについて言及しています。選手時代の経験からくるグランドレベルでの視点と、解説者として俯瞰して見る中継席からの視点。両方の視点で試合を観ると、ポイントは「ボランチ」「戦術」「個の力」なのだそうです。



 中でも、「ボランチ」は現役時代福西さんが務めたポジション。ボランチとはミッドフィールダーの中でも守備的なポジションで、チームをコントロールする役割を担います。



 そんなポジションについて福西さんは「会社という組織でボランチの役割をたとえるなら、中間管理職といったところでしょうか」と語ります。ボランチは、チーム全体を見渡し状況を把握。自分は表に出ることなく、監督の指示に合うようチームにやるべきことを示します。なので、ボランチの選手の動きを見ると、チームのスタイル・監督の戦略が見えてくるのだとか。



 日本代表の場合、キャプテン長谷部誠、遠藤保仁、山口蛍、青山敏弘らが担うボランチ。明日の試合、中間管理職の人は、自分におきかえて彼らを追ってみると、より試合を生々しく見られるのではないでしょうか。チームの勝利のため、献身的に働く姿に、心が熱くなるはずです。