マイケル・ジャクソン「スリラー」のPVに「踊るゾンビ」が登場した理由 〈BOOKSTAND〉|AERA dot. (アエラドット)

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マイケル・ジャクソン「スリラー」のPVに「踊るゾンビ」が登場した理由

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 2009年に急逝したマイケル・ジャクソン。その代表作とも言えるアルバム「スリラー」は、全世界で1億1000万枚セールスを記録。「史上最も売れたアルバム」としてギネス記録に認定されています。



 アルバムと同じく世界を席巻したのが、同名のシングル「スリラー」のプロモーション・ビデオ(PV)。13分以上に及ぶ「スリラー」は、当時としては破格となる50万ドル(当時のレートで約1億2000万円)がつぎこまれる超大作となりました。また、メイキング集を収録した「スリラー」のビデオは、900万本を売り上げたと言われています。



 デザイナーでライターの高橋ヨシキさんの書籍『暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌』では、世界中で今もなおオンエアされている「スリラー」のPVを詳細に解説しています。



 「スリラー」の監督を務めたのは『ブルースブラザース』『星の王子 ニューヨークへ行く』『狼男アメリカン』のジョン・ランディス。後に『メン・イン・ブラック』『グリンチ』『エド・ウッド』などの作品で、アカデミー賞のメイクアップ部門を受賞する「巨匠」リック・ベイカーが特殊メイクを担当しました。



 冒頭のタイトル・ロゴは『サスペリア』、ゾンビが墓場から目覚めるシーンは『吸血ゾンビ』、マイケルとヒロインが一軒家に追い詰められるシーンは『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』などと、全編にわたってホラー映画の名作へのオマージュが満載であると、高橋さんは指摘します。



 マイケルがゾンビたちと踊るシーンでは、プロのダンサーに混ざって、リック・ベイカーとスタッフたちもゾンビ姿で登場します。他のゾンビと違い、一切「踊らない」ゾンビがベイカーとスタッフたちです。今では、彼らも第一線で活躍する特殊メイクアーティストになりました。



 マイケルは、当初「スリラー」にゾンビを登場させるつもりはなかったそうです。ランディスが監督を務めた『狼アメリカン』に感銘を受けたマイケルは、自身がモンスターに変身する場面のある映画を作りたかったとのこと。ベイカーは、地獄から蘇った悪魔やゴブリンを提案したそうですが、マイケルが「悪魔的なもの」に強い拒否反応を示したために、この案は却下されたそうです。



 最終的には、代案の「踊るゾンビ」に決まり、文字通りの爆発的ヒットを記録した「スリラー」。一度、「悪魔バージョン」の「スリラー」を観てみたかったと思うマイケルファンも多いのではないでしょうか。


(記事提供:BOOK STAND)

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