ころやわ (メーカー提供)
ころやわ (メーカー提供)

 カーペットの段差につまずいた、階段を踏み外した、風呂場ですべった……。加齢とともに体が思うように動かなくなると、家の中でさえも大ケガにつながる危険でいっぱいだ。シニアの体を転倒から守る、画期的なアイデア商品の数々を紹介する。

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 些細な物につまずいたり、何かを踏んづけてすべったり。年齢を重ねると、筋力やバランス力といった身体機能が低下して転びやすくなる。

 そんな身近な危険「転倒」だが、「たかが転ぶくらい」と侮ってはいけない。骨折や頭部へのダメージにより要介護や寝たきり、最悪の場合は死につながることもある。

 2019年の「人口動態統計」(厚生労働省)によると、「転倒・転落・墜落」で亡くなった人は年間9580人。「交通事故」は4279人で、実にその倍以上だ。転倒への不安から歩くことを嫌がり体の衰えが進むという、まさに本末転倒なケースも問題視される。

 そこで、転ぶのを防ぎ、転んでもケガにつなげないための様々な商品が開発されている。杖や歩行器といった従来型の転倒予防グッズとは異なる、新しい発想や技術の粋をご覧あれ。

■ころやわ(株式会社 Magic Shields/要見積もり)
転倒時に柔らかくなり衝撃を吸収する新素材。床やマットとして商品化されている。歩いたり、杖や車椅子を使って移動したりする分には硬く転びにくいが、転倒など強い衝撃が加わると柔らかくなり凹む。

ころやわ (メーカー提供)
ころやわ (メーカー提供)

■転倒予防くつ下(株式会社 コーポレーションパールスター/1650円)※価格は税込み。以下同
つま先が自然と上がり、かかとから着地できる靴下。高齢者特有の「すり足歩行」を防ぎ、つまずきにくくする。また体の重心の位置や姿勢も矯正し、ひざや腰の負担を和らげる効果もある。

転倒予防くつ下 (メーカー提供)
転倒予防くつ下 (メーカー提供)

■コロバンエアバッグ(株式会社Spirit of Wonder/10万9780円)
転倒時の股関節骨折を防ぐ、腰に巻くベルト状のエアバッグ。センサーが転倒を感知すると0.18秒でエアバッグが膨らみ、衝撃を和らげる。エアバッグは膨らんだ後、元の形に戻して(有料)、再利用できる。

コロバンエアバッグ (メーカー提供)
コロバンエアバッグ (メーカー提供)
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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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