吉川明子
Netflixのランキング上位を維持している韓国ドラマ「ヴィンチェンツォ」。ポスト「愛の不時着」との噂も。設定が斬新で、さまざまな要素が絶妙にミックスされたドラマの魅力に迫る。
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今年2月にNetflixで配信が開始されて以来、ハマる人が続出中の韓国ドラマ「ヴィンチェンツォ」。少々発音が難しいタイトルだが、これはソン・ジュンギ演じる、ヴィンチェンツォ・カサノという主人公の名前だ。
ヴィンチェンツォは韓国生まれだが、幼少期からイタリアで育ち、今はイタリア・マフィアの顧問弁護士（コンシリエーレ）という立場。韓国・ソウルのクムガ・プラザという雑居ビルの地下に埋められた金塊を手に入れるため、母国・韓国に戻る。
ビルの住人たちを立ち退かせて金塊を取り出し、すぐイタリアに戻るつもりが、悪事を働く大企業バベルグループなどと対立することに。
ヴィンチェンツォは法で裁けない相手に対して、マフィア流のやり方で悪に立ち向かっていく、というストーリーだ。
シリアスなハードボイルドと思いきや、サスペンス、コメディー、アクション、友情など、さまざまな要素が絶妙なバランスでちりばめられており、本作にハマる人が続出。昨年、一大ブームを巻き起こした「愛の不時着」のような盛り上がりを見せている。
ちなみに本作も、「愛の不時着」と同じ制作会社スタジオドラゴンと韓国のケーブルテレビ局tvNが手掛けており、制作費約200億ウォン（約20億円）という超大作だ。
歌人の俵万智さんも本作にハマった一人。人生初の韓国ドラマが「愛の不時着」で、主人公リ・ジョンヒョク役のヒョンビンに魅了されたという。
「ヒョンビンの出演作を見尽くした頃に、“ヒョンビン沼”のみなさんが『ヴィンチェンツォ』にザワついていたので見始めました。脚本、演出、主役から脇役まですべての俳優、音楽と隅から隅まで素晴らしく、クオリティーの高さに圧倒されました。悪をもって悪を制するストーリーは、正義と悪のグラデーションを考えさせられ、奥深い物語になっていると感じました」
ジェーン・スー
北原みのり
田村耕太郎
