有安杏果が撮る東京の文化財「深大寺」 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

有安杏果が撮る東京の文化財「深大寺」

「ももかアイズ」

写真・有安杏果、文・平野圭祐週刊朝日
 次に向かったのは、元三大師像(がんざんだいしぞう、慈恵大師像とも呼ばれる)をご本尊として安置している元三大師堂。有安さんが着くと、僧侶の読経が堂内に響くなか、護摩焚きが行われているさなかだった。この日は親子での参拝も多く、子どもの何げないしぐさに、有安さんも目を細める。
護摩焚きが行われていた元三大師堂

護摩焚きが行われていた元三大師堂

 平安時代の高僧である良源(912~985年)は、元月(1月)3日の命日にちなんで、「元三大師」と呼ばれる。まつられているお像は鎌倉時代から室町時代初期の作で、座像だが、2メートルに及ぶ巨大な姿をしている。
魔除けとして玄関入り口などによく張られる降魔札

魔除けとして玄関入り口などによく張られる降魔札

 元三大師は、鬼の姿になり、疫病神を退治したことから、「厄除け大師」として信仰が厚い。この「角大師」の姿を刷ったお札は江戸時代以降、魔除けとして、玄関入り口などに貼られてきた。

 天台宗の中興の祖であり、おみくじを作った人物としても知られる。深大寺では、大吉、吉、半吉、小吉、末吉、末小吉、凶の7種類があり、「凶は吉に転じる」という考えから、古来のまま、凶の割合が多いそうだ。
おみくじ結びの前で撮影をする有安杏果さん=アプリコット提供

おみくじ結びの前で撮影をする有安杏果さん=アプリコット提供

 深大寺では、2020年4月18日(土)から5月17日(日)にかけて、秘仏の元三大師像を修繕勧進のため、特別開帳する予定(拝観料1000円)。
「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)が安置されている釈迦堂

「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)が安置されている釈迦堂

 2017年3月、地元が祝賀ムードに沸いた。深大寺に伝わる「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)が国宝に指定されたからだ。都内の寺院に伝わる仏像として初めての国宝となった。
国宝に指定された「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)=深大寺提供

国宝に指定された「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)=深大寺提供

 白鳳仏は高さ約84センチ、重さ53キロ。深大寺が創建される以前となる飛鳥時代の7世紀後半ごろに、奈良周辺の畿内で造られた金銅仏で、その後、関東に運ばれ、深大寺の本尊となったとみられる。美術史としては白鳳時代にあたるため、地元では「白鳳仏」と呼ばれてきた。釈迦堂で拝観することができる(拝観料300円、高校生以下無料)。
国宝に指定された「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)=深大寺提供

国宝に指定された「銅造釈迦如来像」(白鳳仏)=深大寺提供

 深大寺によると、江戸時代は本堂内の脇仏として安置されていたが、幕末の火災の後、再建された元三大師堂の須弥壇(しゅみだん)の下の地袋内に置かれたままになって、その存在が忘れられていたという。

 1909(明治42)年に発見され、1913(大正2)年、古社寺保存法により国宝に指定された。1950年の文化財保護法施行でそれまでの国宝はすべて重要文化財になり、その中から毎年数件ずつ新たな国宝が選び直され、今回、改めて指定された。



おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事
あわせて読みたい あわせて読みたい