岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、神奈川県・箱根町の「(猫)出没注意」です。

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「これからタケノコを掘るから、きっとサビちゃんが来るよ」

撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki
撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki Iwago

 蕎麦屋のおかみさんと一緒に竹林に向かうと、3歳の野良ネコ、サビがひょっこりと顔を出す。仕草や顔つきにどこかあどけなさが残る、キュートな女の子。鍬(くわ)を振り上げるおかみさんにおとなしく寄り添っていたが、小さなタケノコを投げてもらった途端飛びつき、爪を立てて転がしたり、両手で抱えたり。

 またたびを見つけたかのように、夢中でじゃれつくサビ。タケの虜(とりこ)になるのは、熊猫(パンダ)だったはずなのだけれど……。

週刊朝日  2023年4月21日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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