室井佑月
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 急速に進化する『ChatGPT』。作家・室井佑月さんが使ってみた感想を明かす。

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 今、流行(はや)りのAI(人工知能)『ChatGPT』に、「室井佑月が今コラムを書くとしたら、どんなコラムを書きますか? 書いてみてください」と指示したら、「はい、室井佑月が今書くであろうコラムを想像してみます」と答え、「『新しい日常』という言葉の虚(むな)しさ」というタイトルのコラムを出してきた。

「新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの生活は大きく変わりました。その変化を受けて、『新しい日常』という言葉がよく使われるようになりましたが、私にはその言葉の虚しさを感じずにはいられません」

 からはじまり、マスクや手洗い、リモートワークなどをする私たちの日常が描かれ、それに対し、「これが本当に新しい日常か」と問題提起をする。

 その後、人類の歴史などを語り、私たちは常に変化している旨を述べる。そして「新しい日常」という言葉が虚しい理由も。

 それから締めに、そんな虚しさを感じる中、人として生きていくためにはなにが肝心なのかを告げて、終わる。

 知り合いの芸人さんが、自分の名前を入れてAIに新ネタを作らせたら、ぜんぜん面白くなかったといっていたが、私のコラムは悪くなかった。

 と、いうことは、私の仕事はAIに代えられるか?

 3月31日付の朝日新聞に「マスク氏ら1000人超『AI開発 半年停止を』」という記事が載った。

 なんでも起業家のイーロン・マスク氏らが、「『人間と競合する知能を持つAIは、社会や人類に深刻なリスクとなりうる』として、GPT4(今の最新言語モデル)より強力なAI開発の半年間の停止を訴えている」という。

 けど、停止といったところで、自分だけが儲(もう)かりたいため、こそこそ開発を進める者はいるだろう。こういう流れは、止められないのではないかと思う。

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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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