室井佑月
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 作家の室井佑月さんは、北原みのりさんのコラムに言及し、「分断を煽っている」と指摘する。

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 2月1日付「AERA dot.」の北原みのりさんのコラム、「『これだからフェミニストは……』という魔女狩り 日本は『真ん中』の軸が男性側に大きく偏っている」を読んで頭が痛くなった。

 まず冒頭で2014年の誘拐監禁事件の話を出す。犯人の部屋の壁や天井には、びっしりと2次元少女のポスターが貼られていたそうだ。

 そして、北原さんが少女への性虐待を想起させる作品は2次元であっても問題だと雑誌メディアなどで主張すると、頼んでもないモノが送られてきたり、暴力的な電話やネットでの誹謗(ひぼう)中傷がつづいたそうだ。

 ものすごく残念なことをいうと、日本では、ものをいう人は攻撃される。コラムを書いたり、テレビに出ていた私も、相当やられたし、今もそれはつづいている。

 しかし、それは女だからじゃない。私のパートナー(男性)もされている。知り合いのジャーナリスト(男性)の家には大人の玩具が送られてきた。

 そりゃあ、中には女であるから攻撃する人もいるだろう。そういうことに薄暗い喜びを感じる人も。そして、性被害ということに関して、被害者は女性のほうが多い。それは、ホルモンの関係から、男性が女性より攻撃的であるからだといわれている。

 私は男女平等論者であるが、男女の違いはあると思っている。もちろん個人の差もある。

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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