※写真はイメージです
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 人生100年時代。やれ生前整理だ、年金だ、お墓だと、とかく最近の世は老人にとって生きにくい。「いい年して」と言われても、ガハハと笑って生きる。人生の達人たちの言葉に耳を傾け、カッコよく“グレた”老人になってやろうじゃないか。

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「書店に並ぶ雑誌や週刊誌の新聞広告で、生前整理、墓じまい、相続といった言葉が並んでいて、元気なうちに勉強しておかなければと、つい手に取ってしまいます。でも、死後の準備をせかされているようで、やるせなくなります」

 東京都に住む70代のヨシコさんはそう言って、ため息をついた。

 週刊誌を手に取ると「死ぬまでに済ませておきたい○○」というようなハウツー企画が目につくようになった。それだけ需要があるのだろうと思うのだが……。

 ヨシコさんは一戸建てに30代独身の末の息子と2人暮らし。上の子ども2人は結婚して家を離れている。夫には数年前に先立たれた。一人で過ごす時間が増え、持ち家の相続や自分の墓のことなど、先のことを考えると不安になる毎日だ。

 体が動くうちに不安なく“手続き”の事前準備を済ませておきたい。身軽になっておきたいと家中の断捨離も始めた。

「そうやってせかされていると感じる一方で、長生きの秘訣をまとめた本や老後資産の増やし方といった指南本も多くあって、亡くなった後のことを考えたり、まだまだ先は長いと人生設計を思ってみたり、頭の中は忙しい。もっと気ままに生きていければと思うのですが……」

 人生100年時代。高齢者の中にはこうした「お金」や「健康」「暮らし」の不安に縛られてしまっている人も多いのではないだろうか。

 悩んでいても、老いは確実に進んでいく。年を重ねるにつれ、不安にかられて、怒りっぽくなった、卑屈になった、という声もよく聞く。

 何にも縛られず、人生後半戦をカッコよく生きるにはどうすればいいか。そんなときは“人生の達人”にご指南いただくのが近道だ。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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